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Series J : 和文研究( 以前 : 和文研究シリーズ ) >

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タイトル: 地方銀行単体の業績指標の価値関連性-業績純益を明示しない損益計算書の様式の妥当性について-
著者: 赤塚, 尚之
海老原, 崇
Akatsuka, Naoyuki
Ebihara, Takashi
アカツカ, ナオユキ
エビハラ, タカシ
キーワード: 価値関連性
業務純益
業務粗利益
実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前業務純益)
コア業務純益
発行日: 2018年6月
出版者: Center for Risk Research (CRR), Shiga University
引用: CRR Discussion Paper, Series J, No. J-64, pp. 1-45
抄録: 本稿は、経常損益計算の中途において一般事業会社にいうところの営業損益に該当する「業務純益」を明示しない銀行の損益計算書の様式の妥当性を判定すべく、銀行の業績諸指標の価値関連性の優劣について、次の諸仮説を設定して検証を行ったものである。ちなみに、筆者の知る限りにおいて、業務純益を明示しない銀行の損益計算書の現行様式の妥当性を判定するための合理的な根拠を付与することを第一義的な目的とした先行研究(会計の実証研究)は、見当たらない。H1:「業務純益」の価値関連性は、経常損益および純損益のそれと同等かまたはそれよりも高い。H21:「業務粗利益」の価値関連性は、経常損益および純損益のそれと同等かまたはそれよりも高い。H22:「実質業務純益(一般貸倒引当金繰入前業務純益)」の価値関連性は、経常損益および純損益のそれと同等かまたはそれよりも高い。H31:「コア業務純益」の価値関連性は、経常損益および純損益のそれと同等かまたはそれよりも高い。H32:(他と比べてボラティリティがより小さくなる)「コア業務純益」の価値関連性は、業務純益、業務粗利益、および実質業務純益のそれと同等かまたはそれよりも高い。なお、本稿は、①今なお銀行業単体の決算情報が重視されると指摘されること、②サンプル数の確保、および③サンプル属性の維持に照らして、タイトルに示すとおり、地方銀行の単体データを分析対象とした。 仮説H1の検証期間は、業務純益のデータを入手できる1989年3月期から2017年3月期までとし、サンプル数は109行、2,403行-年となった(「分析1」とよぶ)。また、仮説H21からH32の検証期間は、実質業務純益等のデータを入手できる1999年3月期から2017年3月期までとし、サンプル数は102行、1,472行-年となった(「分析2」とよぶ)。そして、Chow検定を逐次的に行い、データの「プーラビリティ」を検証した結果、「バーゼル合意」による銀行規制の変化が銀行の業績変数の価値関連性に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。そこで、分析1および分析2について、全期間の検証に加えて、検証期間を「バーゼルⅠ適用期間」(1990年度~2005年度)と「バーゼルⅡ・Ⅲ適用期間」(2006年度~2016年度)に分割した検証も行った。  分析モデルは、「会計制度(銀行の損益計算書の様式の妥当性)を検証する文脈において、銀行業の業績諸変数の価値関連性を検証する」という本稿の趣旨に照らして、価値関連性研究において一般的に用いられてきた「利益・簿価モデル」(MVit =•0 +• 1BVit +• 2Xit +•it)を採用した。被説明変数は、「時価総額(MVit)」、説明変数は、「純資産簿価(BVit)」および「業績変数(Xit)」である。業績変数(Xit)として、分析1については、「業務純益(NBPit)」、「経常損益(OIit)」、および「当期純損益(NIit)」を採用した。分析2については、分析1に採用したものに加えて、「業務粗利益(GBPit)」、「一般貸倒引当金繰入前業務純益(実質業務純益)(ANBPit)」、および「コア業務純益(CoreNBPit)」を採用した。 分析の結果、仮説H1については、①全期間(1989年3月期~2017年3月期)およびバーゼルⅠ適用期間について支持され、②バーゼルⅡ・Ⅲ適用期間については支持されなかった。また、仮説H21から仮説H32について、①全期間(1999年3月期~2017年3月期)については、仮説H21、仮説H31、および仮説H32が支持され、仮説H22は支持されなかった。②バーゼルⅡ・Ⅲ適用期間については、仮説H21および仮説H31は支持され、仮説H22および仮説H32は支持されなかった。③バーゼルⅠ適用期間については、いずれの仮説も支持されなかった。さらに、分析をつうじて、近年、純資産簿価、経常損益、および純損益の価値関連性が、バーゼルⅠ適用期間よりもバーゼルⅡ・Ⅲ適用期間のほうが低くなり、低下傾向にある一方で、各種業務純益の価値関連性は、バーゼルⅠ適用期間よりもバーゼルⅡ・Ⅲ適用期間のほうが高くなり、上昇傾向にあることも観察された。以上より、総じて、業務純益および各種業務純益の価値関連性は、経常損益や純損益のそれと比べて遜色ない水準にあると認められることが明らかとなった。これは、業績指標間の価値関連性の相対的な優劣に照らしていえば、地方銀行の個別損益計算書について、業務純益を明示しない現行様式を堅持する必然性がないことを示唆している。また、①検証期間を(分析時点で)考えられうる最長期間としていること、および②業務純益情報はすでに損益計算書の埒外において開示されており、その算定に関して追加コストを要しないことから、本稿は、さらに、地方銀行の個別損益計算書をつうじて業務純益情報を開示する4つの方策を挙げて検討した。そして、その一環として、経常損益計算の中途において業務純益を算定表示する損益計算書の様式案についても検討を行った。
URI: http://hdl.handle.net/10441/15462
出現コレクション:Series J : 和文研究( 以前 : 和文研究シリーズ )

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